冬の定番名作絵本『てぶくろ』ウクライナ民話

ウクライナへの平和を願う思いから、2022年に話題となった作品。ウクライナ民話をもとに作られた絵本であることに加え、様々な種の動物たちが1つの手袋の中で場所を譲り合いながら暮らそうというストーリーが、共生や平和への願いにつながっている。

古くから語り継がれた民話をもとに描かれ、日本では1965年に出版されて以来、長く読み継がれる、冬の定番名作絵本。

あらすじ紹介

森を歩いていたおじいさんが、手袋を片方落として、行ってしまいました。

すると、ねずみが「ここでくらすことにするわ」と、手袋にもぐりこみました。そこへかえるがやってきて、「わたしもいれて」。次にうさぎがやってきて、「ぼくもいれてよ」。

動物たちが次から次へ…。「わたしも」「ぼくも」とやってきます。

こんな大きな動物まで?もう無理!けれど動物たちは、「それじゃどうぞ」。

手袋の中はもうぎゅうぎゅう!おしくらまんじゅう!

おじいさんは、手袋が片方ないのに気がついて、もどってきました。さぁ、びっくりした動物たちは、いったいどうするのでしょう?!

おすすめポイント

ごく普通の、片方の手袋の落とし物。その手袋を舞台に「いれて」「どうぞ」が繰り返されるうち、次々とやってくる大きな動物たち。次はどんな動物が来るのだろう?入れるのかな?どんどんふくらむ手袋とともに、ワクワクとドキドキもふくらみます。

子どもたちは繰り返しのお話が大好き。何度読んでも「もう1回!」と言われること間違いなしの絵本です。

背景は暗い雪の森。冷たい雪の舞う背景が、手袋の中にいる動物たちの温かさや思いやりをより感じさせてくれます。また、背景の薄暗さが、動物たちのゆたかな表情をより鮮やかに感じさせてくれます。動物たちの名前や着ている民族衣装も、それぞれの個性を表現し、物語を盛り立てます。

ちょっぴり不思議で、心が温まる物語。寒い季節に、ぜひご一読ください!

本の情報

『てぶくろ』ウクライナ民話
エウゲーニー・M・ラチョフ/え うちだりさこ/やく 1965年 福音館書店 16p 28cm
ウクライナの絵本
 自分で読むなら小学校低学年頃から 読んでもらうなら2、3歳頃から

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