![ヨシタケシンスケこれも読みたい](https://komorebilibrary.com/wp-content/uploads/2022/02/DSC_1192-scaled-e1644285641780-1024x488.jpg)
言わずと知れた超売れっ子絵本作家「ヨシタケシンスケ」。私の本棚にも息子の本棚にも、気がつけばヨシタケ本がいっぱいある。デビュー作『りんごかもしれない』以来、男女を問わず世代を越えてブームを巻き起こし続けている。その理由と、特に子育て世代にイチオシの作品2冊をご紹介。
人気の秘訣
◇「子ども目線」「おとな目線」「親目線」、どの角度からでも読める。【⇒老若男女、多くの人が共感できる】
◇クスッと笑える中にも、心の深いところにじんわりと伝わってくるものがある。【⇒笑いあり、涙あり】
◇日常のちょっとした出来事や疑問に、柔軟な発想を投げかけてくれる。【⇒答えではなくヒントをくれる】
◇一見むずかしそうなテーマでも、肩のチカラを抜いて読める。逆に、肩のチカラを抜いて読んでいたら、深い内容に気づかされる。【⇒「絵本」という形態にピッタリ】
子どもから大人まで年齢や性別に関わらず幅広く読まれ、現代の世の中においてブームとなっているヨシタケシンスケ。その理由もまた、読む人の数だけ幅広く見つかりそうだ。
子育て世代へのおすすめ本
数あるヨシタケシンスケ作品の中から、子どもを取り巻く大人に特におすすめしたい2冊を紹介。
『ヨチヨチ父』
まさに今、育児に日々奮闘中の方に、ぜひオススメしたい1冊。
初めての育児は大変すぎて、体力的にも心理的にも(育児モノを)描くことができませんでした。育児がちょっとひと段落ついて、心の整理がされてきて、やっと今回、育児モノを描くことができました。子育てが一番大変な時に、子育てについて考える余裕なんてないのです。 <著者あとがきより>
私も息子が生まれてしばらく、日々の成長の記録を書き留めておきたいと常々思っていたものの、結局そんな余裕はまったくなかった。息子が10歳になった今、この本を読みながら、毎日毎日ひとつひとつ精一杯だった自分がなつかしく思い出される。
母親目線ではなく父親目線で描かれている子育てエッセイは、まだまだ少ない。当時は考える余裕のなかった父親の立場にもクスッと笑える。
今まさに赤ちゃんとの大変な毎日を過ごしているお母さんお父さんたちに、ぜひ読んでもらいたい。絵が中心で読みやすく、どのページからでも1コマだけでも読めて、大変な毎日に一瞬の「ホッとする」を差し入れてくれることは間違いない。
『ヨチヨチ父 とまどう日々』ヨシタケ シンスケ/著 2017年 赤ちゃんとママ社 子育てエッセイ 一般書
『なんだろうなんだろう』
なんだろうなんだろう「がっこう」ってなんだろう 「たのしい」ってなんだろう 「うそ」ってなんだろう 「友だち」ってなんだろう 「しあわせ」ってなんだろう 「自分」ってなんだろう...
子育てをしていると、子どもから投げかけられる色々な疑問に対し、ときには答えに困ることもある。
大人も考え込んでしまう色々な「なんだろう」。その「なんだろう」に対する「こんな考えどうでしょう?」 というヨシタケ流ヒントがたくさんつまっている。
いろんな考えや、いろんな気持ちがあっていいんだ。わからないことがあっていいんだ。
身体とともに心も大きく成長していく子どもたち。その子どもを取り巻く大人たち。その両方に届けたい1冊。
『なんだろうなんだろう』ヨシタケ シンスケ/著 2019年 光村図書 絵本 小学校低学年頃から
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