ディック・ブルーナの絵本『クリスマスってなあに』

シンプルな絵と言葉で、クリスマスのはじまりの物語を、小さい子どもにもわかりやすくやさしく伝えてくれる絵本。

意外に知らないクリスマスの起源

学校図書館に勤めていたとき、子どもたちに「クリスマスって何の日か知ってる?」と聞いてみると、「サンタが来る日!」「プレゼントをもらう日!」「ケーキを食べる日!」「パーティーする日!」「ツリーを飾る日!」「サンタの誕生日!」嬉しそうな声がいっぱい返ってくる。(クリスマスってステキだ!)

「ほかには?」と聞いてはみるけれど、意外に正解はなかなか出てこない。そんなとき、よく子どもたちと一緒に囲んだ本が、ディック・ブルーナの『クリスマスってなあに』だった。

あらすじ

むかしむかし。ベツレヘムの人たちがみんな眠った暗い夜のこと。起きているのは、羊の番をしている羊飼いたちだけ。暗い夜の空が明るくなって、羊飼いたちはびっくりしました。空には天使があらわれて、かみさまの子どもが生まれたことを教えてくれました。天使がいなくなると、羊飼いたちは羊の群れをつれ、星にみちびかれて小さな馬小屋にやってきました。馬小屋には、マリアに見守られ、1人のあかんぼうが眠っていました。このあかんぼうが、かみさまの子イエスだったのです。

それから毎年、イエスの誕生をお祝いするようになったのが、クリスマスの始まりです。

おすすめポイント

ミッフィー(うさこちゃん)でおなじみ、ディック・ブルーナのシンプルな絵と言葉で書かれた絵本『クリスマスってなあに』。クリスマスのはじまりの物語を、小さい子どもにもわかりやすくやさしく伝えてくれる。

クリスマスやサンタについて楽しく知ることができる辞書的な本もたくさんあるものの、『クリスマスってなあに』は物語として伝えてくれるところがいい。

「かみさまの子が生まれた日」って一言でいうのは簡単だけど、子どもたちにそれを説明するのってなかなか難しい。子どもたちにとっては、起源をよく知らなくたって、嬉しいことや楽しいことがたくさんあってそれだけで十分なのかもしれないけれど、せっかくのクリスマス。ぜひ子どもたちと一緒に読んでみてくださいね。

クリスマスプレゼントにぴったりの愛蔵版としかけえほんも出版されています。

本の情報

『クリスマスってなあに』
ディック=ブルーナ/作 ふなざきやすこ/訳 1982年 講談社 28p 16cm

コメント

タイトルとURLをコピーしました