図書館を巡る旅

司書という職業柄のせいか、単に図書館という空間が好きなせいか、旅先だと本との出会いにもワクワク感が増すせいか…

出かけた先で図書館の前を通りかかるとフラッと立ち寄ってみることがあります。

「本を探す・読む・借りる」「調べる」そして「静かに過ごす」。そんな従来の図書館のイメージを越えて、図書館は進化しています。

私のように「図書館が好き」「本が好き」という方はもちろん、そうじゃない方も、先入観を取っ払って遊びに行く感覚で図書館へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

司書が行ってよかった図書館、わざわざ行ってみたいと思う図書館をまとめてみました。

旅の目的地にしたくなる図書館

本だけじゃないワクワクに出会えそう!【新・石川県立図書館】(石川県金沢市)

「思いもよらない本との出会いや体験を通して、人生の1ページをめくることができる場所」を目指し、2022年7月16日にオープンした出来たてほやほやの図書館。巨大な円形劇場のような大閲覧空間が印象的で、ぜひとも訪れてみたい。

○居座りたいイス!個性豊かなイスがたくさんあって、自分好みのイスを見つけたくなる。
○図書館ではお静かに?いえいえ、おしゃべりOKなんです!静かに過ごしたい方はサイレントルームへ。
○こどもエリアでは、ゆるやかにゾーン分けされていて、年齢や興味に合わせて思い思いの場所で過ごせそう。
○全館で利用できるWi-Fi設備があり、ミーティングやリモートワークにもぴったり。
○キッチン設備まであり、イベントスペースが充実。
○屋外には緑地が広がり、外に出て遊ぶことも!
○おしゃれなカフェも有り。

開館時間:【閲覧エリア】火~金曜9:00~19:00 土日祝9:00~18:00 【文化交流エリア】火~金曜9:00~21:00 土日祝9:00~18:00
休館日:月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)、年末年始、特別整理期間
駐車場:図書館利用者は入庫から3時間無料
有名建築家が設計!梼原町立図書館【ゆすはら雲の上の図書館】(高知県)

2020東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となった新国立競技場の設計に携わった世界的建築家、隈研吾。高知県梼原町には、隈研吾の建築が集まり、まるで町全体が小さなミュージアムのよう。その建築の1つが、2018年にオープンした「雲の上の図書館」。梼原産の木材を活用し、森の中をイメージして作られた。ボルダリング設備やカフェも併設し、知の拠点・学びの場であるとともに、憩いの場にもなっている。サイレントゾーン以外ではおしゃべりOK。隈研吾建築としての魅力はもちろん、木のぬくもりに包まれた空間での本との出会いは、格別なものとなりそう。

開館時間:9:00~20:00
休館日:火曜、資料整理日(毎月最終金曜)、蔵書点検日(年度末5日間)
駐車場:無料 冬季は積雪注意

個性ゆたかな図書館

眠らない図書館!【国際教養大学 中嶋記念図書館】(秋田市)

学生たちの学ぶ意欲に応え、いつでも勉強に集中できる環境を提供するため、なんと24時間365日開館!「本と人との出会いの場となる劇場空間」としてデザインされ、秋田の杉と伝統技術を活かした建物は、「日本一美しい図書館」とも言われている。

一般利用者への開館時間:10:00~18:00
マンガ資料が約30万点!【京都国際マンガミュージアム】(京都市)

マンガ資料の収集・保管・公開・調査研究を目的とし、博物館機能と図書館機能を併せ持った施設。所蔵するマンガ資料のうち、約5万点のマンガ単行本が、総延長200mの「マンガの壁」に並べられ、手にとって読むことができる。マンガをあまり読まない私ですら、マンガの壁にはワクワクしました!

開館時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日:火・水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、メンテナンス期間
入館料:大人900円 中高生400円 小学生200円
児童文学といえばココ!【大阪府立中央図書館 国際児童文学館】 (大阪国際児童文学振興財団)(東大阪市)

「子どもの読書支援センター」「児童文化の総合資料センター」としての機能を持つ。子どもを対象に発行された資料とそれを研究するための関連資料を収集し、閲覧提供、複写、レファレンス、展示のほか、貴重な資料を活用した様々な事業を展開している。
児童文学の研究資料が揃っていたり、直近1年間に出版された児童書をまとめて見ることができたり、子どもの本に関わる者にとっては心強い存在!

開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、毎月第2木曜日(7・8月を除く)、年末年始、特別整理期間

※ 貸出不可、館内での閲覧のみ
※ 小学生以下の入館には保護者の同伴が必要

手前味噌ですが… 岡山県の図書館

日本一の公立図書館!【岡山県立図書館】(岡山市)

貸出冊数、来館者数、ともに日本一を誇る図書館。その理由の1つが、蔵書冊数の多さにある(新刊購入冊数が日本一!)たしかにそれはすごい!岡山城や後楽園のすぐ近くという立地もいい。
日本一の県立図書館がある反面、私が岡山県に引っ越してきた当時(もう15年ほど前💦)の印象は、市町村立図書館の充実度がイマイチ...。多くの人にとって1番身近にある図書館は市町村立図書館であり、その市町村立図書館にない本を読みたいときや、市町村立図書館で調べられないことを調べるときに行くのが、都道府県立図書館。かかりつけ医と大きな総合病院との役割の違いのように、市町村立図書館と都道府県立図書館にも役割の違いがあるんです。
岡山県立図書館はたしかに素晴らしい図書館。ただ、貸出冊数や来館者数が圧倒的に多いのは、「身近にあるはずの市町村立図書館が利用されずに県立図書館を利用する人が多い」ということの現れでもあるんじゃないか、近くにある市町村立図書館がもう少し充実するといいなぁ、と思っていた。それから年月が経った現在、嬉しいことに、訪れてみたいと思う市町村立図書館が増えている。

開館時間:【平日】9:00~19:00 【土日祝】10:00~18:00
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
行ってみた!【高梁市図書館】(岡山県高梁市)

備中高梁駅から直結という便利な立地。国内に何館かあるTSUTAYAが運営する公立図書館。本の配置などなど図書館というより書店っぽく、図書館としては必ずしも利用しやすいとは言い難い部分もある。駅と直結で観光案内所やお土産物屋さんやスタバが併設されており、高梁の観光拠点としての役割や、市民の憩いの場としての役割に期待したい。オシャレで開放的な空間は、居心地はいい。

開館時間:9:00~21:00
年中無休

まとめ

「読書の秋」はもちろん、暑い夏は涼しい図書館へ、寒い冬は暖かい図書館へ、進化を続ける図書館へLet’s Go !

旅をしてでも行ってみたい図書館もたくさんある。そして、本を読むこと自体、旅をするのと似ているようにも思う。旅と出会う感覚で図書館へ足を運んでみるのもいいかもしれない。

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